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ノートルダム大聖堂【濱田あや マンスリー・ニュースレター Vol.82】


今回は番外編です。

先週は数日間、

7月のリサイタル のチラシ郵送やチケット発送のために、日本に帰っていました。

本当に久しぶりに、日本で桜をみることが出来て喜ばしかったのですが・・・🌸

離日の日の夜中に、ノートルダム大聖堂の火災のニュースが飛び込んできて

悲しみと喪失感に押しつぶされそうになりました。

ニューヨークにいても、 セント・パトリック大聖堂や、セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂は、 年に一度見るか見ないかくらいなのですが、 ノートルダム大聖堂は私にとっては、とっても身近な存在です。

この写真は、セーヌ川に架かるアルシュヴェシェ橋から撮ったものです。

いろいろな季節のものを集めてみました。

アルシュヴェシェ橋は

ノートルダム大聖堂の裏手(東側)に位置していて、

ノートルダムのあるシテ島とパリ左岸を結んでいます。

パリではこの橋から徒歩1分のところにいるので、

それこそ毎日歩いて渡る橋です。

その度にセーヌ川を眺め、

ノートルダムを見上げるのが当たり前の光景だったのですが・・・。

第一報が飛び込んで来て以来、

フランスのニュースでの悲しいライブ映像に見入り、

機内でもWiFiを使って、ニュースを見たり、パリの友人に話を聞いていました。

(師匠も近所に住んでいるので、ずっとアパートの玄関口から見ていたそうです。)

そしてノートルダム大聖堂には、素晴らしいパイプオルガンがあります。

(パリでは、

ノートルダム大聖堂、サン・シュルピス教会、サン・ユスターシュ教会の

パイプオルガンが特に有名です。)

元々は15世紀に製造されたものですが

1730年代にオリジナルのパイプ12本を使って改造され、

さらに19世紀後半にオルガン製作者、カヴァイエ=コルが

古いオルガンの多くの部分を保存しつつ、

5段鍵盤、86のストップを持つ「シンフォニック・オルガン」へと大改修。

20世紀に入っても改修を繰り返し、

現在は109のストップと約8000本のパイプからなる、荘厳なオルガンです。

私もパリにいるときには、この聖堂で

毎週土曜夜に行われるオルガンコンサートに行くのですが、

数週間前にも行ったばかりでした。

いつも大聖堂中に響き渡るオルガンの音色にうっとりしたり圧倒されたり・・・。

そこのオルガニストの方に伺うと、残響は8~9秒とか!

(ちょっと画質は粗いですが、最近コンサート中に撮ったものです。)

最初は、「屋根が落ちてオルガン全壊だって😭」とメールが来たのですが、

その後、オルガニストの方から、

「オルガンは奇跡的に無事」と伺い、本当に安堵の思い。

これからは他の場所に楽器を移動して、修復にあたるそうです。

とても悲しく辛い出来事でしたが、すでに再建に向けて動きが始まり

希望も見えてきました。

私も急遽、リサイタルのプログラムに、

かつて18世紀にノートルダム大聖堂でオルガニストを務めたこともある

ダカン、アルマン=ルイ・クープラン、バルバトルのチェンバロ作品を取り入れて

ノートルダム大聖堂がまた壮麗な姿を見せてくれることを

願っていきたいと思っています。

ノートルダム大聖堂の塔の屋上からの眺め

濱田あや

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